鳥取から世界へ エアブラシアーティストYASU

YASUさん特集
日本を代表するエアブラシアーティスト、YASU氏。世界で活躍する傍ら、地元鳥取の子供たちを対象にしたアート教室で育成にも力を入れています。現在の制作活動や子供たちへの思い、今後の「鳥取」との関わり方など、お話を伺いました。(記者:林)

今は「これは一体なんなんだ!?」って思われているのでいいと思う(笑)

YASUさん取材
ーはじめまして、オールとっとりドットコム制作部です。よろしくお願いします。

YASU:よろしくお願いします。

ー実は、オールとっとりドットコムのロゴはYASUさんからご提供いただいたキャラクターですが、モチーフをラッキョウとスイカとニワトリに決められたのは、鳥取にお馴染みの名産物で、という理由でしょうか?

YASU:そうですね、わかりやすく。東部と中部と西部でそれぞれ考えて、イメージに合うようなキャラクターを描きました。
-オールとっとりドットコムがオープンしてから2か月が経ちましたが、ロゴを制作してくださったYASUさんから見て、サイトの展開で期待する部分などはありますか?

YASU:当初、立ち上げ時にも話をしていて、観光の部分がメインになってくると思うんですけど、それが他のサイトとは違う見せ方、ここにくれば誰でも知っている当たり前の情報以外の突っ込んだ部分がわかったり、鳥取の悪いところも紹介してあったり、っていうことがもっとあってもいいと思いますね。

-サイトの中で、大きな観光名所だけではなく、小さな遊び場なども紹介できたらと思っています。YASUさんは、身近な遊び場などもよくご存じですよね?アート教室の生徒さんを連れて行ったりされるんですか?

YASU:そうですね。みんな友達なんでね。僕、小学生、中学生、高校生の友達しかいないんですよ。みんな、計算せずに会話できるので気楽じゃないですか。

アートからいろいろな可能性を感じてもらって、自己肯定感を育んでいくことで、将来のステップにつながっていける

-地元の子供たちと接する機会が多いYASUさんですが、作品を制作する時は、鳥取をテーマにすることもあるんですか?

YASU:分かりやすく地元をフィーチャーした作品はあまりないですけど、ただ都会的な題材を描くことはあまりないので、それはたぶん鳥取にいるから、「鳥取人の血」がそうさせてるのかなと思いますね。

-今の主なお仕事は、作品制作と次世代育成がメインになるのでしょうか。

YASU:そうですね。ほかにもいろいろなプロジェクトには参加させてもらっています。次世代育成では、教室の生徒にチャンスがあれば、僕が持っている仕事の幅の中で使えるところは使ってみたり、講師で活動している子も何人かいますね。もちろん、そこはちゃんとお給料が発生してますよ。

-教室の内容なのですが、「アート教室」というだけあって、絵画に限らないということでしょうか?

YASU:全部やります。水彩画だったり、粘土だったり。アートを楽しむところから始まって、それぞれの得意なところを引っ張り上げていきます。例えば、学校の図工が得意じゃない子でも、発想の転換をさせてみるとものすごい才能を持っていたりとかあるので。絵はそんなに上手じゃなくても下の子に教えるのがうまいとか。そうすると、「じゃあ、この子に教えるの頼むね」と任せることで、アートを通してその子は「人に教える」「人に伝える」という部分を磨いていける。アートからいろいろな可能性を感じてもらって、自己肯定感を育んでいくことで、将来のステップにつながっていけるんじゃないかな。
YASUさん アート教室
YASUさん マレーシア
-では、アート教室で見せる顔とは違う、エアブラシアーティストとしての、YASUさんらしさとはなんですか?

YASU:特にないなぁ(笑)でも、僕はあんまり「画家」っぽくないので。いわゆる天才肌でもないですし。学生時代に絵の賞をもらったわけでもないんですよ。ただ、誰よりも楽しんでいるとは思います。多分、「画家」の人は絵のために人生を送っているんですけど、僕は人生を楽しむためのツールの一つが絵なので、そこがたぶん大きく違うかな。楽しくなかったらやらないです。僕はエアブラシができるっていうことで、たくさん仲間ができたり、いろんな企画の話が来たりしてるわけで、単純に「楽しい」じゃないですか。それが本当にビジネスだけで見たときに、絵を選ぶかって言ったら、そうではないので。

-ちなみに、エアブラシを最初にやろうと思ったきっかけはなんですか?

YASU:もともとは車の塗装をしていたんです。そこでカスタムペイントとか、日本でいっぱい賞をもらっていたんで、その延長線上にこういうエアブラシのカテゴリーがあって、自分でちょっとやってみたっていう感じですね。それも結局、僕は表現することが好きなので、お客さんが喜んでくれて、しかも賞や大きいトロフィーをもらえたら嬉しいじゃないですか、楽しいし。そこからエアブラシでのアート制作に転換していきました。

唯一無二で僕しかできないから、どれをチョイスするかは僕の自由にさせてもらっています

-人生を楽しむための延長線上にアートがあるのですね。

YASU:もともと子供のころから絵は好きで個人的に描いてはいたんです。それがエアブラシになった途端、いろんなところで脚光を浴びる機会があって、急に天才風に持ち上げられ始めて。でも、僕のスタイルや基本的な姿勢は何も変わっていないので、いろいろな賞とかも最初バーッともらったんですけど、それはビジネスでやっていく上で必要かなと思って持っているだけで。今は生徒さんのプロデュースに回って、コンクールには一切出さないです。入選して喜んでいる姿を見るのが「楽しい」から。 だから、絶対エアブラシがないと生きていけないかっていうとそうではないし、ペンでも鉛筆でもいいんですよ。僕が「楽しむ」っていうことは、最低限自分のテリトリーの人たちも一緒に楽しむことで、それには手っ取り早いのはエアブラシっていうだけなんで、将来もしかしたらそのツールは変わるかもしれないです。とにかく「楽しむ」ことが僕は好きなんで、楽しくなかったらその場所にはなるべく行かないし、それが通用するのもこの仕事だからだし。唯一無二で僕しかできないから、どれをチョイスするかは僕の自由にさせてもらっています。

-チョイスされたお仕事の中で、7月に中国の書家・孫琦氏とのコラボアート展があり、鳥取市で開催されて話題になりました。このコラボが実現するまでにどんな経緯があったのでしょうか?

YASU:中国で僕が作品展をやったときに、孫さんがテレビで見たらしくて作品展に足を運んでくれて。一緒にぜひ何かをやりたいと言ってくださったんです。ただ、僕は全く知らなかったので「この人何なんだろ?」って思って(笑)そうしたら「この人中国で有名な書家の先生だよ!」って教えてもらって(笑)そうなんだ、それはすごい書を書くん人だろうな~と思っていたら、その日孫さんが食事に呼んでくださったので、少し話をしてみたんです。「自分は有名になりたいわけじゃないし、普段は子供たちと遊んだり、こんな活動をしていますから(一緒に何かをやるには)方向性が違うかもしれないよ?」って言ったら「いや、ぜひそれがいい!」って言ってくださって。「じゃあ、何かやってみましょう」って、軽いノリ。軽いノリです(笑)

-書家の先生ってそういう「軽いノリ」のイメージなかったですけど、意外ですね。

YASU:実際、孫さんは書の世界ではいっぱい肩書があってすごい人なのは確かなんですよ。ところが、一人のアーティストとして見たときに、勉強家だし、偉ぶったところもなくて。孫さんに「何描けばいいの?」ってきいたら、「YASUは好きなの描けよ~」って、「え、ほんと~?」みたいな、そんな軽いノリですすんでいって、細かい打ち合わせなんかないんですよ(笑)「この辺に字をのっけてくれるかな~」ってイメージで作品を描いて。今回、国交正常化45周年のイベントで、少し政治色が強い企画だったのだけど、あれ以来孫さんとはまだ交流が続いるので、次は政治とは関係なく、アートを通して本当の意味で人間同士つながることに役立てるような活動をやっていこうと企画を進めています。

僕はそういうことへのパイオニアにならなきゃいけないと思っている

-世界規模に活躍されているYASUさんですが、現在は鳥取を拠点とされています。今後、「鳥取のアート」はどうなっていって欲しいですか?

YASU:鳥取ではなかなか、「アート」っていうものがお金に変わらなかったり、理解を得ることが難しいと思うことがありますね。小さい街だし、価値観が固まっているから、なかなか新しい風が吹かないのかな。それはいいところでもあるかもしれないけど。大袈裟にいえば、僕はそういうことへのパイオニアにならなきゃいけないとは思っているし、子供たちに教えている以上、こうやったらお金になるよ、とアートで食べていく術を教えて、道を作っていかなきゃいけないと思っています。

profile:YASU

鳥取市在住。25歳からエアブラシによる活動を開始。日本人初のエアブラシショーでの受賞後、海外からの依頼を受けるなど、世界規模で活躍をしている。
2011年より日本を拠点に本格的に制作活動を開始。
現在、作品制作とともに、次世代のアーティスト育成にも力を入れている。

YASUさん作品
YASUさん作品

特集記事一覧

鳥取県花火大会特集
鳥取県で有名な花火大会といえば「鳥取しゃんしゃん祭 市民納涼花火大会」や「米子がいな祭大花火大会」ですが、鳥取県の花火大会はそれだけじゃない!その他の花火大会を早見表で紹介。この夏はいろいろな花火大会…
OGK特集
TSKめざましテレビの企画「めざましテレビ25周年企画 日本つながるプロジェクト」。2020年の東京オリンピックへ向けて、1964年の聖火ランナーにちなんで全国のキラキラしている人達「キラビト」がラン…
ドローンで空の産業革命_有限会社トータルフィット
今年2月に開催された平昌オリンピック。開会式での壮大な光の演出は圧巻でしたね。実は、このパフォーマンスはコンピューターで制御された1200個以上のドローンが描いたライトショーだったこと、知ってましたか…
トップへ